it技術:システム開発:技術伝承の断絶が招く危機
技術伝承の断絶が招く危機
日経SYSTEMSを定期購読しているのですが、2007/8号は特集1「あなたにも出来る技術伝承 勘と経験の残し方」でした。
もしその技術が伝わっていたら、プロジェクト遅延やコスト超過、システムの障害発生などの重大なトラブルの裏には、技術伝承の失敗が隠されていることは少なくないはずです。
上流工程
- 現状把握
問題の洗い出しに漏れが生じる - 要件定義
ユーザーの要求が取り込めない - 外部設計
後工程で作業の手戻りが発生 - 説明・交渉
費用負担を巡りユーザーとの関係が悪化
実装/運用
- 技術問題の解決
解決に時間とコストがかかる - プログラム実装
性能要求を満たせず。メンテナンス性が低下 - テスト
テストが不十分になる。カットオーバー後に発生 - 障害の切り分け
復旧が遅延。場合によっては障害が再発
プロマネ
- スケジュール管理
プロジェクト完了の見通しが立たなくなる - リスク管理
作業が遅延。予期しないコストが発生 - 品質管理
後工程での修正となりコストが膨らむ - 危険度の推察
問題噴出でプロジェクトが制御不可能に
IT業界は技術の変化が早いです、せっかく覚えた技術も陳腐化してしまうことも多々あります。ですが、ベーシックなところはほとんど変わらないですよね。
IT業界は他の業界と比べても、技術に関する書籍が多いことやグーグルなどの検索により情報が得やすい環境にあります。それにより知識に関しては伝達することは出来ますが、一方、技能(スキル)について知識を駆使して作業を遂行する能力であり、伝達することが難しいところです。
実体験しないとなかなか覚えない、失敗してこそ覚えたりする。現状、各個人の勘や経験に頼っていることが多いかと思います。
その場合、「技術は盗め」となるわけですが、はたしてスピード重視の世界でそんな悠長な事を言っている場合では無い・・・はずです。
会社内のコミュニケーションを円滑にして知識の蓄積と共有化するシステムを作り、全体のレベルを上げる体制を作るようにすることが理想なのですが、現実は仕事に忙殺され、回りのことなどかまってられないとこでしょうか、それでも、伝えるための地道な努力を惜しんでなりません。
勝手に添削 - 技術の盗み方
it技術/システム開発/技術伝承の断絶が招く危機.txt · 最終更新: 2017/03/19 11:42 by yajuadmin