ソフトウェア・テストPRESS vol.8に「医療の現場から学ぶ 情報伝達」の記事を読んで、参考になったので書いてみます。
発端としては、よくIT系に起こる情報伝達トラブルですね。
知り合いのエンジニアが看護士が患者の情報を間違いなく共有していることを絶賛していたんだけど、なんか特別な工夫や教育が行われているの?
IT系だとなぜかお客さんの要望がなぜか営業から開発チームに伝わらないことがあってトラブルになることが多いんだけど・・・
看護士では、“申し送り”という患者の全ての情報を他の看護師と共有することが行われています、よくテレビでも円卓を囲んで看護師が患者について話しているシーンがありますよね。(現在、申し送りは廃止方向にあるようです。)
申し送りは、口頭ベースで行われているけど、議事録は残さない。
正式な情報はカルテや看護記録に書かれているので申し送りは口頭で短時間で済ます。
それに患者さんの担当がどうかで理解するレベルも必要とする情報も異なるから申し送りの内容から自分で判断しながら、メモを取る。
ソフトウェアエンジニアの場合、要件定義、設計書、仕様書、不具合レポート、議事録、タスク一覧など、さまざまな情報を共有しているけど、各メンバーが現時点、次の時点で必要となる情報が何で、重要なポイントがどこなのかを洗い出していないから、情報伝達に問題が発生しやすいんだろう。
確実に情報を共有するにはさまざまな資料を更新するだけでなくて、もう少し各メンバーと口頭で話をしながら各自が理解しているかを確認してみるとミスを防ぐことができるかも。
人によって“分かった”の基準がかなり違う、10人いたら10通りの「分かった」が存在して10人がすべて「分かった」といっても、正確に情報を理解し本当の意味で分かっているのは実は1人だけしかいなかったりとか・・・
実際に分かったつもりになっていないかを確認するにはどうするのか?
「自分の理解度」を他人を通してチェックしてみればいいのです。
「人にキチンと説明できる」という状態になって初めて「分かった」ということが出来るのです。
「分かる」と「伝えられる」を同じにするように心掛ける。
医療現場では「確認」の作業を怠ると医療事故につながるために、IT系と違い情報伝達の取り方(真剣度)に違いがあるかな。