デボラ・タネンという言語学者は、「人の発言にはリポートトーク(report-talk)と、ラポートトーク(rapport-talk)の2種類がある」と提唱しています。
ここ最近で注目されたのでは、米大統領の民主党代表選挙「オバマ氏 VS クリントン氏」である。
オバマ氏は、聞き手の側に立った「ラポート(共感・RAPORT)トーク」で展開しクリントン氏は、話し手である自分中心の「リポート(報告・REPORT)トーク」で展開した、結果はオバマ氏に軍配があがった。
ラポートトークとは、聞き手との心理的なつながり、共感関係を高めようとする情報中心の話し方で、的確で効果的な言葉の選択、繰り返し、発展、そしてそれを独特の抑揚、リズム、間の取り方で演出するというもので上手い人は、ドラマ性、物語性をもった交響曲を聴いている感じを受ける。
オバマ氏は、細かいことは省き、漠然としたもの、新しい明るい未来が始まるという期待感を盛り上げ、いかに聴衆との共感を掘り起こし高揚させるかを重視していた。
日本では小泉元総理、アップルのジョブスもラポートトークにですね。
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リポートトークとは、客観的な事実を伝えることに重きをおく、情報中心の話し方で、聴衆の心をつかんで話さないような、印象深い言葉をほとんどなく、あるのは、自分もしくは製品が優秀で経験、実績があるかを繰り返し述べるというもの。
ラポートトークとリポートトークは、場面によって使い分ける必要がある。
ラポートトークばかりを使用していては、うさんくさいと思われるし、リポートトークばかりでは、客観的すぎて冷たく感じる。
営業する場合、製品や機能を紹介する場合は、いかに明るい未来が始まるという期待感を盛り上げるラポートトークをした後で、数値などの客観的な事実を見せて納得させるリポートトークをすることで、お客さんの購買意欲が沸くのではないでしょうか。
参考:立命館大教授 東照二 20080614静岡新聞夕刊 オバマ vs クリントン