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ポストリチウムイオン電池に興味が沸いたので、電池についていろいろ調べてみる。
日本は電池技術に関しては世界トップを誇っている。
電池技術関連特許出願数、日本が世界トップ(全体の3分の1以上が日本)
リチウムイオン電池とはプラス極にリチウム金属酸化物、マイナス極に炭素を使い、電解質を充てんした仕組みの電池です。
名前が似ているリチウム電池とは違いリチウムイオン電池は繰り返し充電して使える二次電池となっているのが特徴、小さくて大容量の電力を蓄えられることから携帯電話やノートパソコンのバッテリーとして使われています。
東芝は2020年11月19日、マイナス30℃でも運用できる水系リチウムイオン二次電池(以下、水系電池)を世界で初めて開発したと発表した。電解液に水を用いる電池で、外部要因で火災が起きた際にも安全なのが特徴だという。
一口にリチウムイオン電池と言っても様々な種類があり、正極、負極、電解質の材料の組み合わせによって性能が変化する。一般的に普及しているものを大雑把に分類すると次のようになる。なお、添加剤の工夫や電極のコーティングなどによっても性能や安全性は向上するため実際はより複雑である。
リチウムイオン二次電池#種類 - wikipedia
正極 | コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、マンガン酸リチウム |
---|---|
負極 | 黒鉛、チタン酸リチウム、ハードカーボン、チタネイト |
電解質 | 炭酸エチレン、炭酸ジエチル、ヘキサフルオロリン酸リチウム |
その他 | バインダー、導電助剤 |
使用済み携帯電話等に含まれるリチウムイオン電池、および自動車用リチウムイオン電池製造工程から発生する廃正極材に含まれるコバルト、ニッケル、マンガン、リチウムを抽出分離し、それぞれ金属コバルト、金属ニッケル、炭酸マンガン、炭酸リチウムとして回収する
溶媒抽出技術を利用した湿式リサイクル方法は、従来の湿式処理と比較して次の特徴がある。
① コバルト、ニッケルに加えて、マンガン(炭酸塩)、リチウム(炭酸塩)も回収可能。
② 金属コバルト、金属ニッケルまで高純度で製品化(純度99.95%)が可能
リチウムイオン電池からのレアメタルリサイクル(JX金属株式会社 環境リサイクル事業本部 敦賀工場)
2020年11月現在、リチウムの価格は下落しています。
1トン:39000ドル、日本円では405円程度です。1kg:4000円
ポスト・リチウムイオン電池の本名は全固体電池となります。それ以外の次世代電池としては、一番実用化に近いといわれるナトリウムイオン二次電池は2025年頃から、金属空気二次電池、カリウムイオン二次電池、マグネシウム二次電池は2030年以降の市場形成を予想されています。
多士済々のポストリチウムイオン電池
「次世代リチウムイオン電池」戦争勃発、4候補のどれが有力なのか
次世代電池の開発と市場予測について調査結果を発表
スマホの電池が5日もつ、新型リチウム-硫黄電池
富士経済、全固体型リチウム二次電池を中心とした次世代電池世界市場の調査結果を発表
電解質を液体から固体に置き換えたのが全固体電池となります。
リチウムイオン電池と同じく正極と負極の間でリチウムイオンを行き来させて充電したり放電したりするため、全固体電池のことを全固体リチウムイオン電池と呼ぶこともある。
全固体電池はリチウムイオン電池と比べて下記のメリットがあります。
電気自動車に搭載されれば、航続距離がフル充電で600キロメートル程度、充電時間は10分程度となり、ガソリンスタンドで給油している時間がガソリン自動車とそれほど変わらなくなる。
ただし、材料の探索や製造コスト低減など課題が多く、メインターゲットとされる車載用に実用化されるまでにはまだ時間がかかります。
2020年時点ではウエアラブル機器やIoT機器、半導体関連製品向けなど小型の全固体電池は量産化の動きとなっている。
固体電解質は2種類ある。
硫化物系固体電解質は酸化物系固体電解質より高いイオン伝導性を持ちますので、より高性能な全固体電池となる可能性がある。
第1回 究極のバッテリー、全固体電池がEVの普及を加速させる
出光興産は石油会社であり、石油精製時に発生する硫黄化合物を有効活用できる。
出光興産の全固体電池【固体電解質の量産施設を2021年に新設】 -
ERESTAGE LAB
不明
ウェアブル端末やIoT端末向け
スマートフォン、タブレット端末向け
クルマ向け
APB(All Polymer Batteryの略名で造語)と呼び、部品点数が少なくて済むバイポーラ積層型のリチウムイオン電池で正負極や電解質といったリチウムイオン電池を構成する主要部材をすべて樹脂化したものとなります。
全樹脂電池はリチウムイオン電池と比べて下記のメリットがあります。
慶應義塾大学特任教授の堀江英明氏(元 日産リーフの電池開発者)と三洋化成工業㈱が共同開発している。
定置用大型蓄電池(太陽光などで発電した電気を貯めておくなど)
2021年春までに生産設備の導入を終え、来秋をメドに電池モジュール製品の商業出荷を開始予定
電極にセラミックスを用いつつ電解液を採用したのが半固体電池となります。
高温実装対応と高出力・放電持続性を兼ね備えていることが特徴です。
ウェアブル端末やIoT端末向け
家庭用蓄電池
日本ガイシが2020年9月にチップ型セラミックス二次電池「EnerCera(エナセラ)」の量産開始
京セラが2020年1月に家庭用蓄電池用のエネレッツァの販売を開始
空気中の酸素(正極活性物)とリチウム金属(負極活性物)が化学反応することで電力を生成する。
これまでのリチウムイオン電池は電池内に正極活性物と負極活性物を備える必要があるが、正極活性物は大気中の酸素を使用することから電池内をほぼ負極活性物が占めることができるため、コスト削減のほか、発生するエネルギー密度の大幅増につながり、その重量あたりのエネルギー密度はリチウムイオン電池と比べて5倍以上になる。
2025年頃の実用化を目指す
空気中の酸素(正極活性物)とアルミニウム(負極活性物)が化学反応することで電力を生成する。
リチウム空気電池の理論容量には及ばないが、安全性が高い点や資源的に豊富で安価という点ではアルミニウムに軍配が上がる。
かねてからアルミニウム空気電池を研究していた冨士色素が、2013年に世界で初めての二次電池化に成功。今回、開発されたのが全固体型のアルミニウム空気二次電池となる。
負極にアルミニウム、空気極(正極)には炭素やチタン系などの材料を使用。電解質にはイオン液体に類似した深共晶溶媒を用い、かつ最適な添加剤を複合化させることで電解質の固体化に成功した。
グラフェンをアノードとカソードに採用したリチウムイオン電池である。
リチウムイオン電池の基本原理と典型的な材料
グラフェンは、炭素原子が六角形構造に並んだシートで、2004年にマンチェスター大学で発見された。グラフェンは強くて軽く、表面積が大きく、熱伝導にも電気伝導にも優れている。
テスラは電気自動車に使用している。
広く普及しているリチウムイオン電池は一般的に可燃性の有機電解液を用いており、これが火災事故の主たる原因となっている。
この電解液を不燃性にしたリチウムイオン電池が開発されている。
電解液に不燃性のイオン液体を用いたリチウムイオン電池
レアメタルであるリチウムに代わりにナトリウムに置き換えたもの。
リチウムとナトリウムは元素の周期表で隣にある元素で、性質が非常に似ています。ナトリウムは地殻の2.8%を占めるほど豊富、海水にも含まれていて低コストで入手できます。
スマホの充電では、リチウムイオン電池が30分かかるところ、ナトリウムイオン電池なら5分で終わるぐらい速くできます。
バイポーラ構造を持った鉛蓄電池で材料コストの低減に加えて、体積あたりの容量の向上によりエネルギー密度を従来の鉛蓄電池比で約2倍に高めることでリチウムイオン電池に匹敵する充放電特性を持ち、消費電力あたりの単価は50%以下となった。
バイポーラ型鉛蓄電池には以下のような利点があります。
定置用蓄電池
2021年度中にはサンプル出荷予定、2022年度から量産・製品出荷される予定
CONNEXX SYSTEMS(コネックス・システムズ)社が開発している鉛蓄電池とリチウムイオン電池のハイブリッド技術「BIND Battery」
リチウムイオン電池の特徴である高エネルギー密度と長サイクル特性、鉛蓄電池の特徴である耐過充電特性と低温特性を兼ね備えた蓄電システム。
バインド電池は-30℃でも放電可能という優れた低温特性を有しており、氷点下でも設置・運用することが可能です。また、過充電時においてリチウムイオン電池は急速に発熱し、発火・爆発する恐れがありますが、その熱を鉛電池が吸収解消するようになっており過充電時の安全性が本質的に確保されています。
定置用蓄電池(非常用小型/家庭用/産業用)
実用化されて販売している
電解液の溶媒に水を使用している電池で、可燃性の溶媒を使用しないため安全性が向上しています。マイナス30℃の極地でも充放電が可能です。
2020年代の実用化を目指す
定置用蓄電池 | 自動車や産業機器などのバッテリーのこと 定置用蓄電池は、昨今の大規模災害の頻発による非常用電源確保ニーズの高まりを受けて、需要が増大している。 |
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鉛蓄電池 | LiBの高性能化が進む前の定置用蓄電池として用いられていた。 今でも鉛蓄電池が占める割合が圧倒的に大きいのだが、LiBの高性能化とコストダウンの進展に伴い、いずれは置き換えが進んで主役の座を譲る存在というイメージが強い。 |
重量エネルギー密度 | リチウムイオン電池は200[Wh/kg]程度 |
サイクル寿命 | |
放電電圧 | |
充電効率 |