====== 問題の報告 ====== 日経SYSTEMSを定期購読しているのですが、2008/10号は特集1「最強チームはこう作る」でした。 「進捗の遅れや品質劣化などの問題が起こったとき、どうしてすぐに報告を上げてくれないのか」とプロジェクト・リーダーなら誰しも、この歯がゆさを感じたことはないでしょうか? メンバーが悪い報告を上げない理由として、日本のITエンジニアに根付いた職業倫理観が原因との指摘があるようです。\\ これは、日本の製造業は職人的な気質が強く製造現場至上主義で大きな問題に直面しても現場の頑張りによって乗り越えようとする。\\ 日本のITエンジニアは、この気質を引き継いでいます。 そのため、過剰な仕事を割り振られても、根性で乗り切ろうとしてしまう。「できそうにありません」「私には無理です」というのはITエンジニアとして自己否定するようなもので恥だと思ってしまう。\\ だから問題が起こったとき、ITエンジニアとしてのプライドを守るため、ギリギリまで挽回しようとしてしまう。\\ いくらプロジェクト・リーダーが「すぐに報告するように」と命じてもすぐには改まらないのは当然である。 【対策の基本】 * プロジェクト・リーダーから日々メンバーに対して声をかけ、様子をうかがう。 * プロジェクト・リーダーから本音を打ち明けることで、メンバーも本音で話しやすくなり問題を報告しやすい雰囲気が生まれる。 * メンバーの人格、価値観、能力を否定しないことを心掛ける。 * 問題の報告を「メンバーの義務ではなく権利だ」と繰り返し説明する。